空宙博では、企画展「宇宙のきぼう~未来の宇宙生活への挑戦~」を開催しており、博物館の天井高を活かして、宇宙エレベーターの模型を展示しています。宇宙エレベーターは、地球と宇宙の間をケーブルでつなぎ、クライマー(エレベーター)で往復する未来の乗り物です。
今回、新たに宇宙エレベーターのケーブルに適した素材とされているカーボンナノチューブ(CNT)を展示しました。(協力:株式会社大林組)
宇宙エレベーターのケーブルの長さは、96,000kmで、重力と遠心力に耐える強度が必要で、軽くて切れない素材が求められます。CNTは、炭素素材でできた軽量かつ高強度の素材で、引張強度は鋼鉄の20倍以上あります。1本の太さは、20nm(0.00002mm)で肉眼では見えないサイズです。展示のCNTは、より糸加工していますが、それでも、とっても細いです。1本では弱いため、複数のカーボンナノチューブを重ね合わせ、厚さは1mm、幅2cmにし、強度を出します。
膨大な長さを製造することは、まだまだ難しく今後の課題になっていますが、これができれば、ロケットと比べ、運転効率が良く、経済的に安く宇宙に行けることが期待されています。
今回の企画展では、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」での実験も紹介しています。このCNTも、きぼうの船外実験プラットフォームで、2回の宇宙環境曝露実験が行われています。
夢とロマンに溢れる宇宙エレベーターの模型と、ケーブルの素材を是非見にきてください。
(企画展は6月3日まで開催)